
8年前、夫33歳、妻の私32歳、娘10歳だった。2008年のリーマンショックで、
私に隠れてFXをしていた夫が、一気に6000万円も市場に溶かした。
しかも、2年前に家を購入したばかり。月々8万円返済していた。
子供も小学5年になり、手もかからなくなってきたので、正社員として事務の仕事を始めたばかりだった。
ここまでは、大金を失っただけでとどまっていたが、他にも問題があった。
主人は2007年でFXで儲けた利益を確定申告していなかった。
仕事休みの土曜日インターホンがなった。見知らぬ男性が入ってきて、税務署からだった。私は心あたりが無かった。
主人に、「あなた、税務署の人が来てるんだけど」と、主人に言うと、
この時にすでに事情を察知して、顔面蒼白で「分かった」とだけ言って玄関へと向かった。
しばらくすると、税務署の人が家に何人も入ってきて、家の中をあれこれ捜索し開始。
「何なんですか?」と、慌てる私に夫が「ごめん、確定申告してなかった」と。
普通に会社員として働いているのに、何で確定申告が必要なのか理解できずにいると、
FXでかなりの利益を上げていたのに、確定申告をしていなかったことを説明しだした。
追徴課税で、4千万近く払えという税務署に、
リーマンショックで資金源は全て失ってしまったことを説明し、なんとか2千万円にまで値下げすることができた。
でも、2千万でさえ用意することができない状況でした。
税務署には、少しでも払う誠意を見せないと、後々まで目を付けられて、大変な思いをする、
とネットで体験談を読んで、恐怖を感じた。
「もしかして、家を売らなければいけないの?」と、夫に聞くとうなだれながら「ごめん」と言った。
入居して、まだ4ヶ月も経っていないのに、またアパート暮らしになるのかと思うと、とショックを隠しきれない。
家を売って、追徴課税を支払っても、家のローンは残るので、結局3千万以上の借金が残ることになった。
不動産会社に見積もりを出してもらって、早速売りに出しましたが、リーマンショックの影響で、売れる気配が全くない。
後から、6千万で購入した家が5千万円で売却された。
購入した家具は、狭いアパートには持っていけないので、置いていきました。
毎日、真面目に働いても簡単には返済することのできない額に、心身共に疲れて、夫に辛く当たることが多くなった。
それでも、子供のために頑張ろうと思って、週に3回会社の帰りに近所のスナックでアルバイトも始めた。
しかし、一度FXで大儲けをした感覚を忘れられなくなってしまった夫は、再び私に隠れてFXを始めていました。
もう、やらないからと言っていたのに、隠れてFXをしていたのも許せませんでしたが、
その資金を彼の両親が出していたのが一番ショック。
夫のトレード成績を見ると、1日に1万円の利益を上げている日もあれば、
3万円マイナスになっている日もあって、プラマイゼロの状態でした。
時間を使って利益を出せないんだったら止めて欲しいと、夫に詰め寄ると、「別れようか」と、離婚を切り出した。
私に借金を背負わせるわけにはいかないから、離婚しようという夫。でも、本心は浮気相手と、やり直したいだけ。
夫の言うことが何もかも信じられなくなった私は、こっそり興信所に浮気調査をした。すると、会社の部下と浮気が発覚した。
部下といっても、30代前半の独身女性で、FXをやり始めたのも彼女の影響。
その浮気相手の女性は、リーマンショックで、逆に大儲けをしていて、億単位の儲けを出していた。
だから、私と離婚して、浮気相手に借金を肩代わりしてもらおうという、魂胆だった。
それならば、と思って私も離婚の際に、証拠となる浮気現場の写真を提出して、慰謝料を思いっきり取ってやった。
夫とは離婚してから、借金がなくなって、新しい人生をスタートさせることが出来た。
今は、慰謝料で購入した中古のマンションに娘と二人で幸せに暮らしている。
夫とは月に1回、娘と会わせるために会っているが、会社を辞めてトレーダーとして頑張っているよう。
羽振りが良さそうで、高級車に乗りつけて娘に会いに来るが、完全にヒモ状態といった感じ。
しかし、その後ギリシャショックで、夫がまた大金を失くしてしまったと聞いて、本当に分かれて良かったと思った。
娘には、自立して地道に稼ぐことを覚えて欲しいと思っているから、高校生のうちからアルバイトさせてる。
娘も、元夫を反面教師にして、真面目にコツコツと働くことの大切さを知ったようだ。
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