
私は精神的病を患いながらも、30歳を迎えて結婚することが出来た。
私はかれこれ、10年以上もうつ病を患っている。
対人恐怖症が強いうつ病が祟ってしまい、まともに就職出来ず、ニートの状態が続いてしまった。
その為、私の貯金は30代にも関わらず、0に等しいのだ。
そんな私を嫁にしたいと言ってきた夫は神様かもしれない。
しかし、私の病のせいで結婚生活は貧乏のどん底に落とされることになった。
結婚当初、夫は自動車工場の工場長として働いていた為、勤務体制は2交代で夜勤を多めに仕事をしていた。
夫は仕事に対して、とても真面目な性格で、しっかりと働いてお金を貯めて、私に不自由ない暮らしをさせたいと何度も言ってきた。
そんな夫に対し、感謝の言葉をいくら言っても足りないと思うことが多かった。
しかし、結婚後、うつ病の症状が一気に悪化していき、自殺未遂をすることが増えていった。
何故なら、夫が仕事に集中するあまり、一人の時間が増え、寂しさに負けてしまうからだ。
寂しさが募ると、もう生きて行きたくない、こんな嫁は最低だから夫の為にも死んだ方が良いと考えるようになり、夫の夜勤中に何度も自殺未遂をしてしまった。
そんな状況を見兼ねた夫は私の傍にいることを決断し、仕事を退職した。
今まで、働いて稼いだ貯金があるから、当分は働かなくても大丈夫だと言い張っていた。
私にとって、お金の心配よりも夫が傍にいてくれることが本当に嬉しくて涙が止まらなかった。
この時はまだ、金銭面で更にうつ病が悪化してしまうなど思ってもみなかった。
精神科に通っていた私は医師から障害者として申請するよう勧められていた。
申請することで金銭面の免除があり、薬代などが浮くので少しは楽になると言われていた。
しかし、当時の私は変なプライドを持ち、障害者として見られたくないという感情があり、申請は全て断っていた。
その為、病院に行く度に1万円以上は飛んでいってしまっていた。
薬代、カウンセリング代は全て夫が出してくれていたので、私はあまり気にしていなかった。
私のメンタルは夫が仕事を辞め、傍にいることでも改善することはなく、定期的に自殺未遂を行うので、夫の精神状態も崩れていった。
自殺未遂することでお金が一気に飛んでいくことを嘆いていた時期もあった。
生死をさまよう程の行動をすれば、自然の流れでICUに入ることになる。
ICUは一泊10万円もかかってしまうので、なかなか目を覚まさない私に対し、憎悪を感じたと後々、夫は教えてくれた。
最終的に私の命の心配よりもお金の心配の方が勝ってしまったと笑っていた。
私の行動でお金はどんどんなくなっていき、夫の貯金もついに尽きてしまった。
夫が仕事を辞めて2年が経とうとしていた頃、食べていくことも困る程の貧乏生活に陥り、夫も若干うつ病になっていたのだと思う。
2年間もうつ病の私と引きこもってしまったのだから、うつ病になっても無理はない。
節約として3日間、飲み物だけで過ごしたり、海にいる食べれそうな生き物をとり、食材に使ったりなど、必死に貧乏生活に耐えていた。
こんな状態が続くと夫の性格も豹変し、私に対して憎しみが湧きあがってきたらしい。
「お前と結婚しなければ、仕事で成功していた。こんな思いをすることはなかった」と何度も怒鳴られたので、私は泣くばかりだった。
貧乏生活が続くと、人間の心と性格は変わってしまうことを知る。
全ての元凶は精神的な病のせいだと思い込んでいたが、本当の原因は全て情けない私にあるのだと気付いた。
夫の優しさにつけこみ、夫に仕事を辞めさせ、貯金を私の為に使わしたあげく、夫まで精神的に追い込んでしまう私は最低な人間だと反省した。
もし、あの時に見栄を張らず、障害者として申請していれば少しは足しになったかもしれない…後悔してももう遅かった。
今度は夫がうつ病になってしまったので、今はその免除のお金で何とか食べていけている。
2人分の食事でぎりぎりの状態だが、家のローンがまだ30年も残っているので、お互いに生きて行くのが嫌になる。
「世の中はお金じゃない、心だ」、この言葉は結婚当初の夫が私に何度も投げかけてくれた言葉。
しかし、今はお金に殺されてしまいそうな状況に立っている。
お金があれば、うつ病は改善されるかもしれない。
私はともかく、夫の心はお金があることで楽になると思う。
今はまだ働くことに対し、恐怖心があるが、いずれはしっかりと働き、お金を手に入れて夫に恩返しをしたいと思っている。
夫の人生を狂わし、貧乏が夫を壊しているのであれば、お金を手に入れる事しか改善策はないのだから。
そう言い聞かせているうちに私は徐々に強くなっていっている気がする。
お金で苦労することで甘える感情が減り、しっかりと前に進んで行ける状況を作ってくれたのかもしれない。
社会復帰まであと一踏ん張り。
これから、しっかりと稼いで、今度は私が夫を支えてあげたいと思っている。
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