
「金喰い虫の嫁に悩む男性」
30代後半の女性、兼業主婦です。
私の友人である同年代の男性が、かなりお金に困った生活をしてるんですが、時々その悩みや愚痴を聞かされています。
彼は結婚して8年目くらいの奥さん、5歳のお嬢さんとの3人暮らし。
だいたいお給料は月に30万を少し超えるくらいで、ボーナスもちゃんと出る職場です。
大学を卒業して以来、まじめにずっと勤務しているので係長にまで昇進しました。
地味な感じですがこういうコツコツ努力のできる男なので、私は時々「あんたエライよ、こういう風に地道に努力が継続できる若い男って最近少なくなってきてるんだから」と褒めることがあります。
彼は嬉しそうに笑って喜ぶのですが、すぐに顔を曇らせて「そういうこと言ってくれるの、本当●ちゃん(私)だけだよ。うちのお嫁様はもう、何にも褒めたりしてくれないの」といじけてしまうのです。
私はあまり知らなかったのですが、この『お嫁様』は本当にエゴイストというか凄まじいまでのナルシスト女性。
たまたま外で会った時に、なんと外車を運転していたので私は仰天しました。
何しろ育ちが東北のお嬢様で、関東のごく庶民的な友人は、出会って結婚してしまったことにそもそも運のつきがなかったのではないでしょうか。
まず、着るものや食べるものに対するこだわりが激しすぎます。わざわざ外車を運転して、隣町の高級スーパーでしか食材は買わない、産地直送の物品配達が毎週のようにある、そしてデパート通いがほぼ毎週、というのです。
服はもちろんハイブランドで季節ごとに新調しており、宝石類などを要求されるので、記念日などの出費は恐ろしく値が張ります。
ちなみに気合いの入ったブランドで身を固めているのは奥さんとお嬢さんのみ、一家の柱である友人男性はファストファッションの地味なベーシック衣類を何年も継続して着続けています。
このお嫁さん、金遣いが荒い、というのではないのですが、何かを買うたびにいちいちクオリティと値段が飛び上がるように高いものを買っているので、彼は常に自分の月給について嫌味を言われるのだそうです。
私はふと不思議に思いました。
そんな生活、果たして彼のお給料でまかないきれているの?というか、どうやってそんな生活を8年間も継続できているの?と。
そう突っ込んで尋ねると、彼はいよいよ悲しそうに肩をせばめ、「…奥さん、実家から仕送りしてもらってるんだよ…」と消え入りそうな小声で打ち明けました。
これには私も大ショック。
「ちょっと待ってよ、アナタ39でお嫁さんも36歳くらいでしょう?その年になって仕送りって!?学生でもないのに!」
「僕だって最初は本当に抵抗したよ。けどさあ、彼女の実家に帰省で引っ張って行かれるたびに、嫁が両親の前で泣き崩れるわけよ。
僕は何年たっても係長どまりで月給も30万円しかない、家のローンを支払って娘のかかりを払ったらもう何もできない、って。
そういう時は自分も地味な服着て、娘にも古い服を着せていくの。演技派なんだようちの奥さん。
だから義両親は、なんてかわいそうに!ってなって、そのたびにお小遣いをたんまり嫁にあげてるし、しかも毎月嫁の専用口座に何万も援助金が入るみたい。」
親離れしていないお嫁さんにも、子離れしていないそのご両親にもものすごく理不尽なものを感じます。
自分のことを安月給、安月給とは言うけれど、実は彼のお給料は私と私の夫のものを合わせた世帯収入よりよっぽど上を行っており、やりくりを上手にすればかなり余裕のある生活が送れる額だと、私には感じられるのです。
(実際、友人は私のことをものすごくやりくり上手な賢い奥さんと思い込んで評価してくれているようです…)
実家からの援助金ですが、全てお嫁さんの口座に入りお嫁さん自身しか引き出せないため、彼に自由になるものではありません。
すべてお嫁さんの采配で消費されていってしまうため、これだけ頑張っても彼の貯金額は本当に微々たるものだそうです。
「今はまだいいんだけど、困るのは娘の教育費。近くに評判の高い中高一貫校があって、嫁は娘をそこに行かせる気満々でいるけれど、僕自身はもう絶対反対です。」
「嫁はまだ何にも考えていないけど、そういう偏差値レベルの高い学校に入らせるには、もちろん普通の公立小学校だけじゃ無理でしょう。
高い塾に行かせて、さらには家庭教師もつけて、両親ががんがんお金をかけないとそういう場には行けないようにできている。
なのに嫁は、いざとなったら両親に頼ればいいとか楽天的に鷹揚な事ばかり言っていて、自分では貯金をして備えようとかいう考え方が全然ないんだよ…」
そう言って彼は長いため息をつきました。
この金銭感覚以外は、彼は本当に奥さんのことが大好きで仕方ないのです。
確かに愛嬌があってとても可愛らしい外見をしているし、料理と手芸がものすごく上手です。
学生時代にまさに一目ぼれしてしまった以上、彼としてはもう手の付けようも、気持ちの引きようもなく、ただただお嫁さんの気の強さに引っ張られて生きている、そんな日々なのです。
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