突然叔母さん消える、そんなところに現れた老婆…泥棒猫と叫んだ真偽とは
- 2016/11/17
- 恋愛・結婚
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自分は36歳の女性、兼業主婦
少し前にスーパーの在庫管理関係のパートをしてたんだけど、そこでなぜか仲良しのおばちゃん仲間がたくさんできて、嬉しいことになった。
何がいいって、みんなして色々アドバイスをくれて、それが実物つきなんだ。
体にいいおかずとか、簡単な編み方のマフラーとか。
その中にFさんという50代の女性がいるんだけど、これは彼女から聞いた、相続関連のお金トラブルの話。
別れは突然訪れる…
Fさんには高齢の叔母さんがいて、長い事一人でアパートに住んでいたんだけど、急に体調が悪いって救急車を呼んで、そのまま病院で亡くなってしまったんだって。
一人息子、つまりはFさんの従兄にあたる人が奥さんと一緒に駆けつけたんだけど、とてもあっけなく旅立ってしまった。
叔母さんはぽっくり亡くなるまでは本当にしゃくしゃく元気に生活していて、家もしっかり片付いていたから遺品整理もさほど困難じゃなかった。
むしろ、自分でお寺への永代供養も済ませていたし、たぶん何となく自分の寿命に気が付いていて、
それで息子たちに迷惑をかけないようにしっかり準備してあったんだろうね。できた人だと思う。
お葬式も四十九日法要も済んで、叔母さんが住んでいたアパートの大家さんへの引き渡しも無事に終わった。
遺産の相続も息子は専門家にまかせて滞りなく手続きが進んでいたし、これで落着だろう、と思っていたら、妙な話が舞い込んできた。
突然の老女乱入
ある時、息子の家に老女がいきなり現れて、叔母さんの位牌にお線香を上げさせてくださいという。
息子たちはこの女が叔母さんの友人か何かだと思ったので、もちろん迷わず家にあげてお線香を上げさせた。
…と思ったらその女、仏壇の前に座り込むなり怒りの形相になって、「この泥棒猫!」と、なんと位牌に向かって怒鳴り始めたのだ。
息子たちは慌てて、女をなだめようとした。とにかく女の言い分を聞くとこうだ。
「自分の元夫は若い頃、(叔母さん)と不倫関係になり、それがもとで家庭崩壊して、自分は離婚して辛酸をなめてきた。」
夫からは慰謝料をもらい、また子どもへの養育費も支払われては来たが、いざこざの最中に叔母さんとは直接コンタクトがとれず、
彼女のせいで自分がどれだけ苦しい思いをしてきたのか、恨み言を言う機会が奪われてきた…という。
新聞の告知でたまたま叔母さんの四十九日法要の事を知り、それを足掛かりに調べ上げて息子の所まで来たのだそうだ。
これはもちろん、息子たち遺族には寝耳に水の話だ。もとより叔母さんがそんな不倫事件を起こしていたことなども初耳だし、
さらには女のでっち上げである可能性も考えられた。
すると女も、息子たちが考えていることを読んだのだろう。
「元夫が勝手に、あなたの母親にあげてしまったはずの私のダイヤのネックレスとブレスレットを
、返して頂戴!それがもうないのなら、代金分のお金を返して!」と叫び始めた。
息子たちは困惑した。というのは、実は叔母さんが大切にしていたアクセサリーの中に、
女のいう記述とぴったり合致するダイヤモンドのネックレスとブレスレットがあったからだ。
興奮して怒りまくる女をどうにかなだめて、息子たちは呼んだタクシーに料金前払いをした上で、ようやく彼女を帰らせることに成功した。
その後、息子たちは一応この叔母さんの浮気について調べられるだけ調べてみたという。
ただ、もし女の話が本当なら、叔母さんが彼女の夫と不倫をしたのは20代初めのことになる。
叔母さんは結婚して遠方に嫁いでくる前で、当時は地方でOLとして働いていたはずだけど、この時代のことを知る周囲の人なんて心当たりが全くないのだ。
親戚内の会議の結果は…
そこで、親戚内の精鋭を集めた会議が開かれた。そこに私の友人Fさんもいたというわけ。
Fさん「で、彼女が返して欲しいというダイヤは今は?」
息子「嫁が保管してるよ。」
Fさん「お嫁さん、そのダイヤのアクセサリーをご自分で使う予定は?」
息子嫁「ないですねえ、私ダイヤ好きじゃないし…。一応形見分けという形で私のところに回ってきましたけど、正直私の趣味ではないんで困ってもいたんですよ。」
そこでFさんはダイヤモンドのアクセサリーをいったん預かり、しばらくしてから息子に返却した。
息子は再度やってきた女に、ダイヤを渡して冷淡に玄関先で追い返したという。以降、女からの音沙汰は全くなし。
つまり、女がいう事を全面肯定して、彼女いわく勝手に夫に持ち去られたという、ダイヤモンドのアクセサリーをそっくり返却したというわけだ。
この話を聞いていた私はけっこう引き込まれて、それで聞いてみた。
「何だか腑に落ちないんですが…それ、もしかして女の詐欺だったんじゃないですか?ダイヤをただ取られちゃったんじゃないですか?」
するとFさんはひらひら手を振って言った。
「いいのよ、渡す前に一応私が頼んで鑑定してもらったんだけどね、古い時代のブランドのイミテーションで、
価値は2万円もなかったの。叔母さんの名誉を守ってダイヤを渡さなかったら相手も依怙地になり続けるだろうし、なんて言ったってその人も老い先短そうなおばあさんだったのよ。
そんな人に、2万円あげて長い間手放していた自分のダイヤの現実を教えたら、それこそ残酷じゃない?一番いいと思ってみんなで決めて、それでダイヤは彼女にあげちゃったのよ。」
自分も、このFさんの決断こそが一番い選択だったんじゃないかと思う。遺品整理や遺産相続はトラブルがつきものだって聞くけれど、本当だ。
でも、この方法なら、亡くなった叔母さんも一番納得するんじゃないだろうか。人との間に波風をたてないことを、一番願っていた人だったというから。
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